先日からTwitter界隈を賑わしている、人気Youtubeチャンネル「令和の虎」に出資者として出演していた社長(虎)たちの賭けポーカー事件。

Twitter上にLINEの内容が流出し、「令和の虎」主要メンバーである林、桑田、トモハッピーら複数の社長たちが事実を認め、自身のSNSなどを通じて謝罪している。

中でも、株式会社A.ver(武田塾の運営会社)の代表である林社長は、今回の件に関し責任をとって代表を辞任するにまで事態は発展した。

では、一体なぜここまでの大きな事態が起きてしまったのか。

ここからは、LINE流出前後の様子を時系列で振り返り、また先日Youtubeで配信された林、桑田、條の3名による会談の様子を客観的に見て、自分なりに考察してみた結果をご覧いただこうと思う。

令和の虎チャンネル「條社長の真実」にて関係のこじれが発覚

まず、林、條、両名の関係のこじれについて初めて公とされたのが、令和の虎チャンネルで公開された「條社長の真実」とサムネに題した動画。

この動画は現在非公開となっているが、動画内では令和の虎主宰である岩井社長と、林社長の2名が並び、條社長が破産したこと、連絡が取れなくなっていること、主力事業であった「おウチでマジ牛タン」を破産後に別会社で「おうちでタンくん」として販売していること、などを語っていた。

この動画だけを見ると、二人の発言は全て林社長視点からの物言いであったため、條社長が一方的に悪い印象を視聴者に与えることとなった。

結果として動画のコメント欄は荒れに荒れ、條社長に対する誹謗中傷で溢れかえった。

また、林社長は動画内で「おうちでタンくん」の事にも触れており、Instagramのアカウントが存在すること、そのアカウントを條社長がフォローしている事についても語り、この動画を見た俺はすぐに確認したところ、当該アカウントの投稿(主に商品のプロモーション)に対して、動画を見て来たであろう人たちから罵詈雑言のコメントが投稿されていた。
※現在このInstagramアカウントも非公開となっている

FCチャンネルで前田氏とともに條社長へFCオーナーへの謝罪を要求

その後、林社長が自身で運営するYoutubeチャンネル「FCチャンネル」でも條社長に関する動画を公開。

こちらも現在は非公開となっているが、この動画ではレギュラーの林、竹村のほか、條社長と一緒に「まがりDEマジ牛タン」というFC事業を進めていた前田氏も出演していた。

先に紹介した「條社長の真実」動画内で林社長は「『前田さんとは一緒に仕事できない』と言われた」と語っていたが、当の前田氏本人は、條社長と同い年で公私ともに仲良くしていたと語っており「なぜここまで嫌われているのか」と思い当たる節がないようだ。

ここでも林社長、前田氏は、今回の破産は條社長の計画倒産ではないかと言及し、すでに加盟しているFCオーナーへ謝罪するよう呼びかけた。

この動画により、林陣営 = 被害者という一方的な構図がより鮮明に印象付けられることとなった。

突然のLINE流出!? 賭けポーカー疑惑の浮上

さらに数日後、ここまでの流れを大きく引っくり返す突然の事態が起きた。

それが冒頭に紹介した、林社長を筆頭とする令和の虎関係者による賭けポーカー疑惑の浮上。

Twitter上に、金銭のやり取りがおこなわれたLINEのスクリーンショットが流出し、これを機に事態は急転。

これを受け、林社長は代表辞任を表明、トモハッピーは丸坊主となった姿で謝罪動画を公開するなど、たった1日の間で大きな動きがあった。

これまで一方的に條社長を叩いていたTwitter民も掌を返し、今度は賭けポーカーをおこなったとされる社長たちへ一気に矛先が向いた。

事実の程は不明だが、このLINEは條社長のスマホから流出したもの(あえて流出させたのかは不明)で、それを第三者である某氏が拡散させたものである。

令和の虎チャンネルで謝罪動画・今後の配信を停止することを発表

この事態を重く受け止め、賭けポーカーに参加していた社長たちを多数出演させていた「令和の虎」主宰の岩井社長は、謝罪とともに当面の間、番組の配信を停止することを発表した。

現在は、今回の件に関与していない社長たちで番組を立ち直すことを検討しているようだが、再開の時期は全くの未定である。

また、令和の虎チャンネルで公開された「條社長の真実」、FCチャンネルで公開された條社長に関する動画も、この時期に非公開とされた。

林・條・桑田による事実確認の会談の様子を公開

さらに数日経った2月20日の夜、FCチャンネルで「緊急報告」と題された動画が公開された。

この動画は、賭けポーカーに関わった林・桑田の両名と、オンラインMTGツールを介した画面越しに條社長が座るという異様な光景で始まった。

これまで林社長視点による一方的な発信により、多大な名誉毀損を被ってきた條社長だが、この動画内では初めて條社長の言い分を聞くことができた。

要約するが、條社長が林社長を敬遠するきっかけになったのが、資金繰りの悪化で経営が苦しいことを相談したときに林社長から言われた一言。

「倒産してA.verに事業よこせば良いじゃん」

林社長は言った記憶がないとのことだったが、條社長はこの言葉を2度言われているようで、この時「株式を渡している林さんがこんなことを言うのか」と愕然としたそうだ。

その後も、資金繰りに苦しむ條社長に対し、金利12%という高利の金融業者を林社長が紹介したといったこともあり、この時に完全に心が離れてしまったようだ。

と、ここまでが條社長の言い分。

これに対し、林社長は金利12%の業者に関しては、経営再建コンサル料含む利率で、決して悪い業者を紹介したわけではないと反論する。
まぁ実際は林社長の言うとおり、ただの高利貸しを紹介したわけではないのだろうが、倒産を目前とした條社長の立場からすると、株主として真剣に考えてくれているとはとても思え難かったのだろう。

主に、この二つの出来事が起きたことで、二人の間の溝はどんどん深まっていったようだ。

両者の言い分を聞いて、どちらに非があるのか考察してみる

一連の流れをこれまで振り返ってきたが、ここまでの経緯を踏まえた上で一連の事件について客観的に考察してみる。

その前に、今回の林社長との一件とは別に、條社長の破産により「まがりDEマジ牛タン」のFCに加盟したオーナーさん、その関係者にかけた迷惑は100%條社長に非があるだろう。
経営の悪化は仕方ないところとはいえ、破産して今まで連絡がつかず、表立ってお詫びをしてこなかった事実は、とても受け入れ難い。

続いて林社長との件について、結論から言うとどっちもどっちだろう。

桑田社長の言うとおりお互いの中でちょっとした認識のズレがあり、林社長はそのことに気づかず、條社長の中でそのズレがどんどん広がり、取り返しのつかないほどの軋轢を生んでしまった結果起こったことだろう。

一連の流れをまとめて振り返る

  1. 資金繰りに苦しむ中、林社長に株を買ってもらい何とか急場をしのぐ
  2. 70%の株を買ってもらうことで、今後の経営再建への尽力を勝手に期待
    ※この時は広告費を出してもらう約束をしただけとのこと
  3. しかし林社長は自主性を重んじ放任
    ※他チャンネルなどでも自主性を重んじるスタイルは有名
  4. 株主となったことで林社長の冗談が通じず、條社長キレる
  5. 再度資金面での相談に対し、金利12%の業者を紹介され條社長爆ギレ
  6. 條社長、これ以上迷惑かけられないと、購入してもらった70%の株式買取を提案
  7. 林社長、当初の金額では当然売れないと断る
  8. 條社長、4倍の金額で買取を提案
  9. 林社長、それも断り「いくらなら売ってくれるか自分で考えて」と
  10. ここから連絡取れなくなる
  11. 條社長、会社を倒産させこっそり別会社で牛タン事業を開始
  12. 林社長、保有する株券は紙屑となり、新たな牛タン事業のことを知る
  13. 令和の虎・FCチャンネルで「條社長の真実」公開
  14. 動画の公開により、SNSで袋叩きに合う條社長。新事業にも影響が及ぶ
  15. 窮鼠猫を噛む。條社長の一撃で、林社長らに賭けポーカーをおこなった疑惑が浮上
  16. 事実を認め、林社長辞任表明
  17. 林社長、條社長に関する動画を非公開とし自粛
  18. 桑田社長立ち会いのもと、林社長、條社長の会談動画公開

まず、「2」の時点で條社長が大きな勘違いをしているのは確か。
もっと経営に関しての手助けを期待していたようだが、これは一方的な期待で林社長の義務ではない

そもそも「3」で書いたとおり、林社長の放任スタイルは有名だ。
ただし、これに関しては條社長の知るところではなかったのかもしれないので、結局のところこの時点で互いの認識に相違があったようだ。

そして大きな引き金となったのが「4」
林社長は覚えていないとのことだったので、恐らく夜の席での発言だったのだろう。
いつもの調子で軽く冗談的に言ったつもりだったが、資金繰り・精神的に苦しむ條社長はこれを真に受け不信感を抱くことに。

決定打は「5」
この一件で林社長との関係から手を引くことを決断。

條社長は恐らく「6」あたりで、桑田社長など第3者に相談するなど別の方法を採っていれば、関係の修復・経営の再建の可能性も残されていたのかもしれない。

こうして振り返ってみると、ここまでの大きな事態に発展させない方法はいくらでもあったし、こうなってしまった原因はどちらにもあるように思える。

個人的にこの一件は、これから長く社会人として生きる上で、人とのコミュニケーションがどれほど大切かを思い知らされた。

無用の気遣いがどれだけ悪影響を及ぼすか、本音で話すべきタイミング、相談できる人間の大切さなど、あらゆる要素が詰まった出来事だった。

これから先、この二人がどういった形で和解するのか、はたまた完全に決裂するのかは知る由もないが、一刻も早く「令和の虎」を平和に見れる日が来るのを待ち遠しく思うばかりだ。

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