中卒の俺が26歳でIT企業に転職したことは以前の記事で取り上げた。

その会社には3ヶ月の研修期間が設けられていたので、今回は研修期間中に任された仕事を紹介する。

まず、俺と同期入社でYさんという女の子がいた。
二人とも「Webデザイナー」枠で採用された。

基本的に受託開発系の会社なので、業務は企業のホームページ制作が主となる。

俺とYさんはどちらも業界未経験だったが、入社前から個人的にWebサイトやプログラムを作ったりしていたので、客観的に見て入社時のスペックは俺の方が高かったと思う。

とはいえ、所詮素人だ。

周りの先輩社員と比べると、スピードもクォリティも天と地ほどの差があった。

当然先輩社員が担当しているクライアントにも迷惑を掛けられないので、比較的作業リスクの少ない業務が任された。

Webサイトの更新作業

月●時間まで作業可能、といった条件でいくつかの企業と契約をしていたので、契約の範囲内であればクライアントから依頼された箇所を都度更新するといった作業をやった。

おそらくどこの制作会社でも、まず新人が担当する業務だろう。

簡単なテキスト修正もあれば、バナー画像の作成、時には簡単なページ作成をすることもある。

俺が担当したのは、前職のサイト(転職前から俺が更新していた)サイトとコーヒー豆のECサイトだ。

ECサイトの方では、先輩の女性デザイナーの指示のもと作業をこなした。

今まで見たこともなかった、綺麗に作り込まれたデザインファイルを渡され、それをベースにバナーを更新・作成したりといった作業だったが、これまでデザインファイルを触ったことはほとんど無く、難しいながらも新鮮で楽しい作業だった。
※唯一の不満はデザインソフトがFireWorksだった事だ。。。

この既存サイトの更新作業はデザイン業務こそ苦戦したものの、もともとHTMLやFTPに馴染みがあったので割と早く仕事を覚えることができた。

サテライトサイトの制作

入社後1週間ほどが経つと、サテライトサイトの制作を命じられた。

サテライトサイトについて簡単に説明しておくと、本命サイトとは全く別のドメインでサイトを立ち上げ、そこから本命サイトへのリンクを飛ばすことにより本命の検索順位アップを狙う、いわゆるSEO対策の一つである。

このサテライトサイトの制作が苦手だった。

サテライトサイトの制作手順は以下のような流れで行われる。

  1. ワイヤーフレーム設計
  2. デザイン作成
  3. コーディング
  4. CMS(MovableType)組み込み

当時、俺はデザイン作業が全くできず、デザインの確認でOKをもらえるまで毎晩23時過ぎまで残業をする羽目になっていた。

コーディングとCMSへの組み込みはスムーズにできていた。
性格的にエディタに向かってガチャガチャキーボードを叩く方が向いているのかもしれない。

俺と同期のYさんは同じ業務をやっていたが、デザイン作成でYさんが一歩リードし、CMSの組み込みで俺が抜き去るといった感じで競い合っていた。

二人とも、たかがサテライトサイト一つを制作するのに1週間以上かかっていたのだ。
これでは会社的に当分使い物にならない。

今考えると、よく社長も暖かく見守ってくれていたものだ。

アダルトサイトの広告設置作業

あまり詳しくは話せないが、会社ではクライアントの運営するアダルトサイトの更新作業も行なっていた。

アダルトは普通のレンタルサーバーでは契約できないことが多いので、会社の専用サーバーをホスティングしていたのだ。

俺たち新人が行う作業は、広告タグの設置作業。

クライアントから送られてくるJavascriptの広告タグを指定箇所に貼り付け更新するといった、作業としては単純なものだ。

しかしアダルトサイトの広告は、少しのミスがクライアントの致命的な損失になりかねないのでかなり神経を使うことになる。

実際俺は慣れない作業でミスを連発し、クライアントから担当を変えてもらうよう言われるなど、会社でもかなり怒られていた。

しかし、この時に身をもってバックアップの大切さなど、Webサイトを扱う際の慎重さの必要性というものを学ぶことができた。

その他作業いろいろ

先に挙げた3つが主な業務であったが、自社サイトの更新や自社Facebookの更新など、細々とした仕事も任された。

また、新入社員研修セミナーなどにも参加させてもらったりと、社員教育に力を入れている会社でもあったので、この3ヶ月の間でまだまだ新人ながら飛躍的にIT技術力は高まったと思う。

3ヶ月の研修が終わり、正社員になってからのことはまたの機会に取り上げていこう。