前回の記事で、データのばらつき具合を確認することができる統計量・標準偏差を求める方法を紹介した。
今回は度数分布表から標準偏差を求める方法を紹介する。
今回は、以前の記事で作成したサンプルデータの度数分布表を使うことにする。
まず平均値については下記の記事で紹介したとおり、階級値×相対度数の合計で求めることができる。
このサンプルデータの平均値は170だ。
平均値が分かれば後は手順どおりに計算を進めていく。
計算した平均値と階級値との差を求めれば、各階級の偏差が分かる。
さらに、偏差を二乗して相対度数を掛けて合計することで、分散を求めることができる。
列が増えてきたので、不要な列は非表示にした。
N列の値を合計すると、112という値が求まりこれが分散となる。
最後に分散のルートを取れば標準偏差が確認できる。
$$\sqrt{112} = 約10.58$$
つまりこの度数分布表から分かることは、多くのデータは平均値の170cm周辺に分布するが、そのばらつきは平均して約10cm前後の位置に多く見られる、ということが分かる。
【中卒でも分かる統計学入門】連載記事一覧
- 度数分布表とヒストグラム
- 度数分布表から平均値を求める
- 色々な平均値の求め方
- データの散らばり具合をみる分散と標準偏差
- 度数分布表から標準偏差を求める ←←現在見ている記事
- 標準偏差を理解して偏差値の求め方と意味を知る
- Pythonで偏差値を求める
- 仮説検定で一つのデータから母集団を推定する
- Pythonで95パーセント信頼区間を求める
- 平均に対する区間推定
- 母集団からとった標本平均の95パーセント予言的中区間
- 標本平均から母平均を区間推定する
- 標本分散とカイ二乗分布
- カイ二乗分布から母分散を推定する
- 標本分散に比例する統計量Wの求め方
- 母平均が分からなくても母標準偏差を推定する方法
- 統計量Tを求めてt分布を理解する
- t分布を使った区間推定