前回の記事で自然分娩(経膣分娩)から帝王切開に切り替えることになったところまで話した。

陣痛誘発剤の投与から3日が経過したが、大きな陣痛があらわれる兆候がなく、これ以上待つのは母体が危険ということで、帝王切開に切り替えることになった。

定刻が近づくと、俺と妻の両親は陣痛室から退室させられた。
手術前の準備があるようだ。

いよいよ帝王切開の手術開始

しばらくすると手術を前にした妻が搬送されていった。

手術中は談話室で待つことになったが、身近な人間が手術をするといったシチュエーションに遭遇することがこれまでになかったため、気が気でなかった。

しかし妻の両親は落ち着いているようで、3人で話していると大分リラックスして待つことができた。

ついに双子の赤ちゃん誕生

その後、談話室で1時間半程度待つと、まず産まれた赤ちゃんが運ばれてきた。

長男:2530g
令和元年8月16日 16時13分生

二男:2510g
令和元年8月16日 16時14分生

少し小さいながら、どちらも健康に産まれてきてくれた。

看護師さんは「後少ししたら奥さんも戻ってきます」と言っていたが、ここからさらに1時間以上待つことになった。

出血多量による貧血で危ない状況に

しばらく待つと妻が運ばれてきた。

一応無事に手術は成功したとのことだが、双子が入っていた子宮が大きくなりすぎていたせいで出血がかなりひどかったようだ。

妻の顔からはすっかり血の気が引き、唇が真っ白になり手先も冷たくなっていった。

その後、個室のベッドに移され面会に行ったが、妻は「気持ち悪い」「寒い」と話し、看護師が出血の状態を再度確認するため、すぐに退室させられた。

どうやら帝王切開の手術によるダメージは計りしれないものがあったようだ。

それからさらに2時間ほど談話室で待つことになった。
あまりにも長い時間待たされたので、不安が頭をよぎる。

そしてようやく担当医師が来てこう話した。

「子宮が広がり過ぎて産後の収縮がうまくいかず、未だに出血が多いので輸血を開始します」

妻は大量の血を失ったせいで、寒気や吐き気を感じていたようだ。

そして血液検査後に輸血が開始され、俺と妻の両親3人は一旦病院から帰ることになった。

輸血による妻の復活

翌日の面会時間に病室を訪れると、妻の元気な笑顔がそこにはあった。

輸血をしたことで妻の体調は復活したようだ。

とはいえ、術後のダメージはかなりのもので、傷跡がとにかく痛むようだ。

前日のボロボロになった妻の姿を見ていたので、とにかく俺はホッとした。

一度帝王切開をしたら、次の出産も自動的に帝王切開となることが多いようだが、今回のことを思うと「もう妻に出産はさせられないな」と思った。

帝王切開後、通常翌日には歩行リハビリをおこなうことが多いようだ。
傷口は痛むのだが、ベッドに寝ていると足に血栓ができやすくなるため、多少無理にでも歩かないといけないとのことだった。

しかし妻の場合はダメージが大きかったため、歩行リハビリは2日目からおこなった。
一時は160以上まで上がっていた血圧も徐々に正常値に戻り、日に日に回復していった。

そして手術から6日経過後、急きょ妻の退院が決まった。

退院も突然決まったので、会社は午後から有給を取らせてもらい、すぐに病院へ向かって荷物を取りに行った。

この頃には妻もすっかり回復し、軽い荷物も持てるし、普通に歩くこともできる。
また、妊娠が分かった時から乗ることをやめていた自転車にも乗れるようになるまで回復していた。

今後について

双子の赤ちゃんはまだ産まれた時の週数が36週と早かったこともあり、もうしばらく入院が必要だと言われた。

赤ちゃんの退院後は妻の実家でしばらく預かってもらう予定だ。
おそらく1ヶ月程度お世話になるであろうが、俺も早く子育てに参加したい。

どんな子に育つか、どういう教育をするか、二人の未来を想像すると子育てが楽しみで仕方がない。