中卒の俺が転職活動を始めて、数社の面接を受けた結果、ある企業から内定をいただくことができた。

その時の話をする。

前回の記事では転職活動で初めての面接について書いているので、こちらの記事も見てくれ。

Web受託開発のIT企業へ面接に行く

当時、リクナビNEXT、Greenと2つの転職サイトに登録し、中卒の俺は学歴不問のIT関連職種へ片っ端から応募していた。

今回面接に行った企業は、リクナビNEXTの求人案件だった。

完全にWeb系受託開発の企業で、求人の内容はPHPを主とする開発業務だ。

この日は溜まっていた有給を取り、平日昼間に面接へ向かった。

会社に着くと応接フロアに招かれしばらく待たされた。

面接官が来るまでの待ち時間に事務所を見渡すと、綺麗に整頓されてはいるが、何となく小ざっぱりしすぎて温かみが感じられず、どことなく違和感を覚えた。

また、フロアの端を行き来する社員と思われる人も、顔色が悪く、言っちゃ悪いが生気も覇気も感じられなかった。

しばらくすると面接官がやってきた。

面接官は30代半ばくらいの男性一人で、通例どおりこれまでの経歴や志望動機などをひととおり答えた。

アルゴリズムのフローチャートを書かされた

これまでIT企業数社の面接を受けてきたので、ある程度の受け答えは慣れていたが、この時初めての経験となった、ある試験があった。

アルゴリズムのフローチャートについてのペーパーテストだ。

内容は、自動販売機のアルゴリズムをフローチャートへ記述するといったものだ。

フローチャートの書き方に関しては、その場で説明があったが、条件分岐やループなどを思いのままにチャートへ記述していく。
確か30分程度の時間が与えられたが、これは脳トレやパズル感覚で楽しみながら取り組んだのを覚えている。

その場で社長の二次面接

約30分の制限時間が経過すると、面接官がやってきて俺の書いたフローチャートを確認した。

しばらく待つと、その場で二次面接を行うと言われた。

これまで行ってきた転職活動の中で、初めて二次面接へ進むことができ、突然のことで慌てたがかなり嬉しかった。

二次面接は社長の待つ別室で行われ、再度これまでの経歴などについてのやり取りがあり、15分程度話すと面接はあっさり終わった。

初めての内定通知

数日後、登録していたリクナビNEXT経由で一通のメールが届いた。

これまで「不採用」のメールを何度も見ていたので、またかと思いながら受信箱を開くと見慣れない件名のメールが届いていた。

すぐにメールを開くと、なんと「採用」を表す内容だった。

素直にすごく嬉しかった。

15歳の頃、囲碁棋士の道を志し、高校にも行かず世間から長い間離れて生きてきた、非常識な中卒男を評価してくれたのだ。

そして内定を辞退する

内定通知のメールを確認した後、その会社に返事を出すまでに2日間を要した。

その間、面接の時に気になった社内の雰囲気を思い返していた。

なんとなく俺のイメージしていた環境とズレがあり、社員の雰囲気なども含め、俺の第六感がその会社への転職を拒んでいたのだ。

2日後、その会社へ電話した。

内定を断った。

この時、二次面接でお会いした社長に直接話したのだが、想像以上の圧力で引き止められた。

今になって分かるが、IT業界は慢性的に人材が不足しているので、せっかく時間やお金を割いて内定を出したにも関わらず、それを断られるのは企業側にとって損失が大きい。

とはいえ、俺にとってもここが人生の岐路である。

安易な判断で決めることはできないので、少しでも違和感を感じたら、その感覚に素直に従うことも必要だ。

結果、自らの内定辞退により今回も転職に至ることはできなかった。

しかし、26歳・中卒で際立った能力も無い俺にもチャンスはあるということが証明された。

今回内定を取ったことが大きな自信となり、その後も俺の転職活動は続いていく。