日本の刑法では、コンピューター犯罪(サイバー犯罪)も処罰の対象となり、1987年の法改正により制定された刑法をコンピュータ犯罪防止法と言う。

コンピュータ犯罪防止法では、以下のとおり様々な犯罪が定義されている。

電子計算機損壊等業務妨害罪

人の業務に使用するコンピューターを破壊するなどして業務を妨害することを処罰する法律。

企業が運営するWebページの改ざんや、不正アクセスによりファイルを削除するなど、業務遂行の妨害をした場合に適用される。

また、被害が発生せず未遂に終わった場合にも罪に問われる。

電子計算機使用詐欺罪

電磁的記録を用いて不当な利益を得る犯罪を処罰する法律。

インターネットを経由してオンラインバンキングに虚偽の情報を送ることで、不正送金を実現させることなどが該当する。

電磁的記録不正作出及び供用罪

人の事務処理を誤らせる目的で、その処理に関連する電磁的記録を不正に作ると罪に問われる。

支払用カード電磁的記録不正作出等罪

人の財産上の事務処理を誤らせる目的で、その処理に関連する電磁的記録を不正に作ると罪に問われる。

クレジットカードやプリペイドカード、キャッシュカードを不正に作る行為が該当する。

不正指令電磁的記録に関する罪(ウイルス作成罪)

マルウェアなどの作成、提供を正当な理由なく故意に行うことを処罰する法律。

ウイルスを作成し他人の業務を妨害すると電子計算機損壊等業務妨害罪として処罰の対象となるが、ウイルスの作成自体が公衆の信頼を損なうものと考えられるため、2011年の法改正により刑法としてウイルス作成罪が追加された。

なお、ウイルスの感染を知らずに広めてしまった場合などは対象外となる。